NHKドキュメンタリー - 足元の小宇宙 絵本作家と見つける生命のドラマ 感想

偶然見たNHKドキュメンタリーがあまり良いので感想

 

絵本作家、甲斐信枝 さんのドキュメンタリーで、NHKは良い仕事をするなぁ、関心する

スケッチブックを持って、野道を歩いて被写体を探すシーンで、ほら!!やってるわ!!とか言い出して、野花を指差して、ここ!!こういうの観ると私ワクワクするの とか 僕がライブハウスにいく、美術館で絵を見るのと同じ
その野花は、ぱっと開いて、光を集めてる様に僕には観えた

枯れ草をどかして、こいつらはこういう事をするんだよ! とか言って

枯れ草の下には、小さな芽がたくさんあった、それを見て喜んでいた笑

見ている内に、どんどんと彼女の世界に引き込まれていく

野花や雑草たちをあいつ こいつ このヒト などと呼び、野花たちの性格を嬉しそうに話す、のげしを語るシーンで、のげしは、たんぽぽと違って、捻くれてるっていう話は、分からないんだけど、わかる様な気がした、のげしが好きになったよ

甲斐さんがヒトのように植物を扱う姿は、植物たちがヒトなのではなくて、甲斐さんが植物?なんじゃないか

彼女は、野花に似ている

絵を描く姿、植物たちに魅せられた彼女の姿は、真っ直ぐ何て言う表現は、どこか、物足りないが、それで、ただ生きてる、植物たちと同じだった

彼女は、自分の言葉で話している、見て来たものをそのまま、その姿に偽りがない

ついつい、人の言葉を引用して話す、僕の様な人間にはなんだか眩しく、その言葉の重みや誠実さに考えさせれる

最後の彼岸花を描くシーンは、入念に選び、一本を見つけ描くんだけど

絵が描けて、選んだ被写体を拝み、謝りだす、目の前に、こんな美しいものがあるのに、それを描けない って、僕も、いつもそう思う

完成した絵を見て、僕は、言葉が伝わらないのと同じで、彼岸花の心は、彼岸花にならないとかけないんだろうな って思った、それを理解しきれなかったんだと思う、それは彼岸花の心、分からないのは当たり前で、でも、その美しさに、魅せられて、それに近ずきたい、分かりたいと思う姿は、美しく、謝る姿が愛おしくなった

作中、キャベツの水滴に光が映って光る様、彼女がキャンバスに、彼岸花を写す、彼岸花と彼女の間にある絵は、光る水滴の様だった

甲斐さんが、「こういう連中は、どこまで行ってもおいでおいでする、永久に追いかけるんだ」と言っていて、それは凄く幸せなことね

NHKの映像の撮り方にすごく愛を感じる、どんなヒトが撮ってるんだろ

キャベツの水滴が光るシーン、あれを見せてくれた事にありがとうと言いたい笑

甲斐さんは、結構ぶっ飛んでるヒトだと思う

それをこんなにポップに見せる、甲斐さんの人柄もあるんだろうけど

被写体を見つけて、新聞紙を引き、ごろんと座る姿はなんとも愛らしい

ロックな、絵本作家になりたいんだ って言ったあの子はこれを見たんだろうか

スズキコージ氏然り、パンクな絵本作家がいっぱいいるんだろうな

草のくらし―あき地の五年間 をとりあえず買う